2024.04.15 相続した空き家を資産に変えるための戦略とは？注意点とあわせてご紹介

相続によって手に入れた空き家。
その存在は、多くの人にとって重荷となることも少なくありません。
特に、使われていない家が突然、財産として転がり込んでくると、その取り扱いに頭を悩ませることになります。
しかし、適切な対応をすれば、空き家は負担から資産へと変わる可能性を秘めています。
そこで、空き家相続における基本的な考え方と具体的な対策をご紹介します。

□相続した空き家の処分方法

相続した空き家をどうするか、その選択肢は大きく分けて3つあります。

1:売却する

空き家を売却することで、資産としての価値を現金化し、新たな投資や生活資金に充てられます。
しかし、空き家の状態や立地によっては売却が難しいケースもあります。

2:賃貸として利用する

空き家をリフォームし、賃貸物件として提供することで収入を得ることも一つの手段です。
ただし、管理の手間や初期費用がかかる点を考慮する必要があります。

3:自ら利用する

自らが住む場所として利用するか、セカンドハウス、趣味の場所として活用する方法もあります。
これにより、空き家を有効活用しつつ、相続した財産を自分の人生に役立てることが可能です。

□空き家相続時の注意点

相続した空き家をどう扱うかを決める前に、いくつかの注意点があります。

まず、相続税の問題です。
空き家を相続することは、相続税の対象となり得ます。
そのため、空き家の価値を適切に評価し、必要な税金を計算することが大切になります。

また、法的手続きの完了も重要です。
空き家の名義変更を含む、数々の法的手続きを適切に行う必要があります。
これには、遺言の有無の確認や、相続人全員の合意形成といったさまざまなステップが含まれます。
ここでも、適切な手続きを経て、正式に所有権を移転させることが求められます。

最後に、空き家管理の義務についてです。
相続した空き家には、所有者として適切な管理を行う義務が伴います。
これには、定期的なメンテナンスや草木の手入れが含まれ、これを怠ると、近隣トラブルの原因となることがあります。

特に、空き家の手入れを怠ると、屋根が落下したり、壁や庭木が倒れたりして、通行人に怪我をさせたり、近隣の建物に損傷を与える場合があるため、注意が必要です。

相続人である限り、相続するのか相続放棄をするのかを考えている期間でも、空き家を管理する義務があります。
これは、相続放棄する前であっても、相続して自分の所有物となった場合と同様の管理責任が課せられているからです。
したがって、熟慮期間中であっても、管理の不備で他人に損害を与えてしまえば、損害賠償責任を負います。

空き家を放置すると、固定資産税が6倍になることも覚えておく必要があります。

長年放置して劣化が進み、「特定空き家」に指定されてしまうと、固定資産税の軽減措置から除外され、結果的に税額が膨れ上がるのです。

このような状況を避けるためにも、空き家の適切な管理や活用計画を立てることが重要です。