相続した家売却でかかる税金！損しないための基礎知識
相続した家を売却する際、税金に関する知識は不可欠です。
手続きは複雑で、税金の種類も多く、戸惑う方も多いのではないでしょうか。
今回は、相続した家の売却にかかる税金について、分かりやすく解説します。
譲渡所得税の計算方法や節税のための特例、確定申告の方法など、売却前に知っておきたい情報を網羅的にご紹介します。
スムーズな売却に向けて、ぜひご活用ください。
相続した家の売却税金徹底解説！
1: 譲渡所得税の計算方法と税率
相続した家の売却で生じる利益（譲渡所得）に課税されるのが、譲渡所得税です。
これは、所得税と住民税の両方に影響します。
譲渡所得税の計算は、以下の式で行います。
譲渡所得＝譲渡収入金額－（取得費＋譲渡費用）
譲渡収入金額は、家の売却価格です。
取得費は、相続した家の取得価格です。
取得価格が不明な場合は、売却価格の5%を適用できます。
譲渡費用には、仲介手数料、印紙税、測量費用などが含まれます。
計算された譲渡所得がプラスの場合、税金が発生します。
税率は、相続人がその不動産を所有していた期間によって異なります。
所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得となり、税率は所得税15％、住民税5％です。
5年以下の場合は短期譲渡所得となり、税率は所得税30％、住民税9％と高くなります。
相続の場合、被相続人の取得日から計算します。
2: 相続した家売却にかかる税金の種類と概要
相続した家の売却には、譲渡所得税以外にもいくつかの税金がかかる可能性があります。
相続税: 相続開始時に、相続財産全体の価値に対して課税される場合があります。
相続した家も相続税の対象となります。
ただし、基礎控除額（3,000万円＋600万円×法定相続人の数）があり、これを下回る場合は課税されません。
印紙税: 売買契約書に貼付する印紙税が必要です。
税額は契約金額によって異なります。
軽減税率が適用される場合がありますので、最新の税率を確認しましょう。
登録免許税: 所有権移転登記の際に必要です。
通常は買主が負担しますが、相続登記がされていない場合などは売主が負担する可能性があります。
3: 節税のための特例活用方法徹底解説
譲渡所得税の負担を軽減するための特例がいくつかあります。
3,000万円の特別控除: 相続した空き家（被相続人の居住用財産）を売却する場合に適用できる場合があります。
適用条件は、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、区分所有建物登記されていない建物であること、売却代金が1億円以下であることなどがあります。
さらに、相続開始日から3年後の12月31日までに売却する必要があります。
相続人が3人以上の場合は、控除額は2,000万円となります。
取得費加算の特例: 相続税を支払った場合、その相続税額を譲渡所得税の取得費に加算できます。
相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却した場合に適用されます。
小規模宅地等の特例: 相続税の節税に活用できる特例ですが、売却時期に影響を与えるため、売却前に確認が必要です。
4: 確定申告と必要な書類
譲渡所得税を納めるには、確定申告が必要です。
譲渡所得がプラスの場合、または特例を活用する場合には確定申告書を提出する必要があります。
確定申告には、以下の書類が必要です。
売買契約書
登記事項証明書
固定資産税評価証明書
その他、必要に応じて領収書や明細書など
相続した家の売却手続きと注意点
1: 相続登記と遺産分割協議
相続した家名義を相続人の名義に変更する「相続登記」が売却前に必要です。
相続人が複数いる場合は、遺産分割協議を行い、誰がどの財産を相続するかを決定する必要があります。
2: 不動産会社との契約と売却の流れ
不動産会社に売却を依頼する際には、媒介契約を締結します。
その後、査定、広告、内見、売買契約、引き渡しという流れで売却が完了します。
3: 売却時の費用と税金
売却時には、仲介手数料、印紙税、登録免許税、ハウスクリーニング費用、解体費用などが発生する可能性があります。
これらの費用も事前に把握しておきましょう。
4: よくある質問とトラブル回避
売却に関するよくある質問とその解決策、トラブル回避策を事前に知っておくことで、スムーズな売却を進めることができます。
具体例として、売却を急ぐことによる価格の低下リスク、売却代金の分割による贈与税の問題、などがあります。
まとめ
相続した家の売却には、譲渡所得税をはじめ、相続税、印紙税、登録免許税など、複数の税金が関係します。
売却前に、譲渡所得税の計算方法、節税のための特例、確定申告の手続きなどをしっかりと理解しておくことが重要です。
特に、所有期間5年という壁や、3,000万円の特別控除、取得費加算の特例などの適用条件をしっかり確認し、自身の状況に最適な税金対策を検討しましょう。
売却手続きにおいても、相続登記や遺産分割協議など、事前に必要な手続きを理解し、スムーズな売却を目指しましょう。
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